千葉県大多喜町の移住婚を独自インタビュー!参加者の人数や平均年齢も紹介

千葉県大多喜町の移住婚

大多喜町は、千葉県初の新しい取り組みとして移住と婚活を組み合わせた「移住婚」を2023年9月に開始しました。全国の移住希望者をお見合い相手とすることで、出会いの機会が増えることを期待しています。

そこでこの記事では、大多喜町へ移住される方に向けて、大多喜町の「移住婚」の魅力やその実施プロセスについて、大多喜町 企画課地域振興係の松浦さんにお話を伺いました。

目次

移住婚の魅力とは?

自治体情報協会編集部:それでは早速、移住婚の魅力について教えていただけますか。

松浦さん:大多喜町ではこれまでもお見合い事業を行っていましたが、なかなか新しい登録者の方が増えず、出会いの機会に恵まれない方も多かったです。新たな施策として移住婚に取り組むようになり、より多くの方と出会える可能性が広がったことが最大の魅力です。

自治体情報協会編集部:今後移住される方が増えてくると新たな活力が生まれるかと思いますが、想定される大きなメリットなどはございますか。

松浦さん:移住婚をきっかけに移住されてくる方は、地方での生活に憧れている方が多いです。子供を望まれている方も多いため、大多喜町へ定住する可能性も高く、大多喜町の一番の課題である人口減少に対しても働きかけることができる点が一番の強みだと考えています。

移住婚の実施までの流れ

自治体情報協会編集部:それでは、実際に移住婚をするまでの具体的な流れについて教えていただけますか。

松浦さん:移住婚というものはもともと一般社団法人日本婚活支援協会(以下:婚活協会)の事業なので、婚活協会へ移住を希望される方が登録をするところからスタートします。

大多喜町をはじめ色々な自治体が受け入れ先として登録している中で、「大多喜町に移住したい」という希望を移住希望者の方が出してくださいますと、婚活協会から大多喜町に連絡が入ります。

移住希望者の方の基本情報(お名前・年齢・現在の住所地・連絡先)が婚活協会から大多喜町へ共有されるので、担当者から直接アポイントを取りより詳細なプロフィールを改めてご提供いただきます。

その後、いただいたプロフィールをさらに複製し、移住希望者の方には、大多喜町にお住まいでお見合いを希望される地元会員様の情報を提供します。そこで初めて、移住希望者の方へ「お見合いしたい方を決めてください」とお伝えします。

もしお見合い希望をされる方がいたら、実際にオンラインでお見合いして、交際を希望されればご本人同士でやり取りをしていただくという流れです。

自治体情報協会編集部:千葉県初の面白い取り組みだと自治体情報協会編集部でも話題に上がっておりまして、仕組みに大変興味がありました。とても丁寧なサポートで利用者の方も安心ですね!

松浦さん:しかし、この事業を活用してお見合い対象者は全国規模に広がりましたが、地元会員様の中にお見合いを希望される方が居ないとその先に進まないので、大多喜町在住の地元会員様を増やすことが現在の課題として取り組んでいる最中です。

自治体情報協会編集部:具体的にどのような取り組みをされているのですか。

松浦さん:ローカルな方法ではありますが、チラシを町内に配ったり、ポスターを配布したり、町内にある企業さんに実際に足を運び宣伝をしたりしています。その他だと町の広報やHP、SNSを活用して周知も行っています。

自治体情報協会編集部:ありがとうございます。実際に会員様は現在どれくらいになられましたか。

松浦さん:移住婚を始める前は男性が19名だったんですが、現在24名に増えました。また、女性は9名いらっしゃいます。女性会員様を増やしたいのですが、一方で移住希望者の方のほとんどが女性のため、現在は地元の男性会員様を増やす方に力を入れています。

参加者の人数や平均年齢

自治体情報協会編集部:実際に登録されている方の平均年齢を教えていただけますか。

松浦さん:移住希望者様が現在男性3名・女性13名いらっしゃるのですが、男性の平均年齢が45歳で、女性は38.6歳です。男性は30代、40代、50代が各1名ずつ、女性は一番若い方で23歳、年上の方が51歳であり、内訳としては20代〜30代の方が多いです。女性は若い方からの移住希望が多く、私たちも驚きました。

自治体情報協会編集部:23歳だと大学卒業されてすぐの年齢ですよね!

松浦さん:そうですね。移住婚に登録される方は都会に住んでいる方なので、地方に移住してゆっくりしたいという方や、自然に囲まれて生活したいという方が多く、若い方々も同じ意向の方が多い印象です。

自治体情報協会編集部:参加者の方も女性の方が4倍ほどいらっしゃるということに驚きです。

松浦さん:この登録者数を控えたのは先週だったのですが、昨日も女性3名、男性2名新規で登録されていました。どんどん登録が増えるのは良い反響を与えられているのかなと嬉しい限りです。

大多喜町が抱える地元会員様を増やさないとご紹介が間に合わない状況になっているので、先ほどもお伝えしましたがそこが課題だと思っています。

自治体情報協会編集部:9月に始動されて3ヶ月間という短期間でこの結果はすごいですよね!

松浦さん:これがいいご縁に繋がるように、こちらとしても精一杯努めさせていただきたいと気合を入れています。

移住婚の成功のポイント

自治体情報協会編集部:移住婚を成功させるポイントを教えていただけますか。

松浦さん:移住希望の方に事前にプロフィールをいただくので、その時に拝見するご希望にいかにマッチしたお相手を紹介できるかがポイントだと思っています。

紹介したところでそれらの条件にマッチしていないと、大多喜町に移住するのはやめようと思われてしまうかもしれません。したがって、移住婚を成功させるには、ご希望に添えるお相手を紹介することが最も重要だと考えています。

また、お見合いが決定した場合は、当事者の方2名の間に私が入り3名でお見合いをします。私自身は全く婚活に詳しいわけではないのですが、お二方の会話が上手く弾むように盛り上げ役に徹することが2つ目の成功させるポイントだと思っています。

自治体情報協会編集部:そうなんですね!一対一でお見合いされるものだと思っていました。間に入って進行していただき、また盛り上げていただくことで緊張もほぐれますね。

松浦さん:緊張して会話が止まってしまうこともあると思いますので、あくまでも盛り上げ役として場を和ませて、お二人に良い印象を持っていただきお見合いを終えることができるのが一番だと思っています。

自治体情報協会編集部:お見合い自体は何分くらいされる予定でしょうか。

松浦さん:現状ではまだアポイントの段階で、お見合いは実施されていないのですが、年内中には現在アポイントを取られている会員様が一通り実施できればいいと思っています。

時間もいきなり1時間など長く設けてしまうと難しいかもしれないので、私を交えて15分程度最初に行い、その後オンラインの場から退出したあとお二方で10分〜20分程度お話ししていただく流れを想定しています。その状況に応じて時間などは対応できたらと考えています。

自治体情報協会編集部:ありがとうございます。また、1点気になることがあるのですが、登録者の方はフルネームを事前に知ってお見合いされるのでしょうか。

松浦さん:移住希望者の方に地元会員様のプロフィールを紹介する最初の段階では、個人情報が特定できるものはお見せしません。また、お写真はどうしてもお見せすることにはなりますが、プロフィールを紹介する際も紙面でお見せするなどではなく、担当者が口頭でお伝えする形になります。

オンラインでお見合いをする際も、「下のお名前だけ教えても良いですか」「名字だけ教えても良いですか」などお二方に伺いながら行う予定です。

自治体情報協会編集部:それですと女性の方も安心ですね!

松浦さん:そうですね。そこは配慮が必要であると意識しています。

自治体情報協会編集部:最後に、これから移住婚でカップルが成立していくことになるとして、大多喜町からのアフターフォローも予定していらっしゃいますか。

松浦さん:その後の展開は現在考えていませんが、大多喜町に移住される際の引越し費用や、賃貸費用、リフォーム費用などについては新婚の方に限り補助金を出す制度(年齢・所得条件あり)があるので、そちらを活用していただけます。

自治体情報協会編集部:すごいですね!移住される方にとっては非常に手厚いアフターフォローだと思います。改めてとても魅力的な取り組みだと分かりましたので、この記事を読んで新たに登録される方が増えることを願っています。

松浦さん:ありがとうございます。結果が出るように私どもも頑張りますので、温かく見守ってください。

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