「日本の滝100選」にも選定された名瀑

JR阿波海南駅から車で約1時間、海陽町の北部に位置している「轟の滝」。山の静けさを感じながら歩いていくと鳥居があり、滝はその奥に姿を現します。落差は海陽町が位置している徳島県内で一番大きく、その威容と近辺に轟く水音は、まさに「轟の滝」という名称にふさわしく思えます。滝の源泉は海部川を基としていて、その清冽な流れから「日本の滝100選」に選定されている名瀑です。滝口は二分されていて、合計5メートルもの幅があり、豊富な水量による水煙は、夏でも周囲の空気を凛と冷やしているかのように感じます。

滝の手前にあった鳥居は「轟神社」のもの。本瀧神社と鍋割神社の二社からなっていて、天正19年(1591年)に創建されたと伝えられています。轟の滝は「本瀧」ともいわれ、本瀧神社の社が祀られる場所。阿波国藩主をはじめ、古くから遠近の人々の崇敬を受けて、古からの聖地として信仰の対象となっていました。

 

大小の滝が織り成す壮観「轟九十九滝」

轟の滝の上流に進むと、「滝の回廊」とも称される遊歩道があり、沿道には大小さまざまな滝を見ることが出来ます。壮観な滝の数々は、「轟九十九滝(とどろきくじゅうくたき)」といわれ、「日本の滝100選」の選出はこのすべての滝が対象となっています。

まず、本瀧のすぐ上流にあるのは「二重の滝」。二つの滝が並ぶ水流の美しさは、多くの滝の中でも出色です。

さらに遊歩道を進めば、「横見の滝」が現れます。その名の通り遊歩道の位置からは、滝の横側を見ることになるので、ほかの滝とは違った姿を望めるスポットとして人気です。

春になると、滝壺の上に山桜が見られる「三十三才の滝(みそさざいのたき)」も、人々が立ち止まって撮影する滝のひとつ。

そして、本瀧から約1500メートルに轟九十九滝の最後、「鍋割りの滝」があります。本瀧と同様に滝の手前には鳥居があり、轟神社の一方である「鍋割り神社」の社も、こちらに位置しています。 1500メートルというと、長い道程に感じるかもしれませんが、ゆっくり歩いても片道で1時間程度です。ご紹介した滝以外にも遊歩道沿いには、個性豊かな滝がありますので、意外と短時間に感じるかもしれません。

 

滝壺での勇壮な禊が見られる轟神社での例大祭

毎年11月の第2日曜日には、轟神社の例大祭が執りおこなわれます。神社の御祭神は水を司る「水象女命」。古来より日照りが続いたときなどには、御祭神に本瀧に入っていただき祈願する神秘的な行事がおこなわれていました。例大祭のときにも、神輿を担いだ男衆たちが白装束に身を包み、140段の石段を駆け下りて本瀧に入り禊をおこないます。歴史ある聖地での勇壮な祭祀は、毎年多くの人を魅了しています。

 

このように、「轟の滝」は四国でも最大級といわれる本瀧の威容と、大小の滝が織り成す神秘的な景観、そして聖地としての伝統的な行事も見どころです。海陽町に訪れたら、必ず行ってみたいスポットのひとつといえるでしょう。

四国でも有数の威容を誇る「轟の滝」、清冽な流れは古からの聖地だったNo.363880-03-0002

轟の滝
住所:徳島県海部郡海陽町平井王余魚谷
URL:海陽町観光協会(外部サイト)

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