菅原道真公から辿る神社仏閣巡り。

「古都」を学び「現代」を楽しむ、長岡京 神社仏閣巡りの醍醐味とは?

「我が魂長くこの地にとどまるべし」という言葉を残し、大宰府へ旅立ったという
菅原道真公。「見返り天神」と呼ばれている長岡天満宮は、その菅原道真公の所領で
あったとされる場所です。御生前に親友である在原兼平と詩歌管弦を楽しんだという言い
伝えに相応しく、境内の参道には、道真公に関わる歌碑や記念碑が建ち、中には百人一首
にも採用された道真公が詠んだといわれているあの有名な歌も…。
道真公の生きた証が歌や伝説となって残っている場所でもあります。

朱塗りが印象的な立派な社殿には梅の彫刻が。邸宅が紅梅殿・白梅殿と呼ばれていたこと
からも、道真公の梅に対する愛情が伝わってきます。紅梅殿の梅を思い、左遷先の大宰府
で歌を詠んだ所、その梅の花が道真公のもとに飛んできたという「飛梅伝説」は有名。
願いが梅の花に乗り、道真公に届きますように。

参拝したら、「花おみくじ」で運だめし!一つひとつのおみくじに花の絵があしらわれ、
同時に花の香も楽しめます。1番は、やっぱり梅の花。道真公が愛した梅の香りを楽しめ
ます。また、長岡天満宮オリジナルの竹しおりは、竹の特産地である長岡京市のお土産に
もピッタリ。

境内の東にある八条ケ池は、灌漑用の溜め池。地域の安全を守るだけではなく、地域の人
たちの憩いの場にもなっており、平成25年には都市景観大賞にも選ばれています。季節
によって咲く花々が池を華やかに演出し、参道にもなっている中堤は多くの観光客の人気
スポットです。

長岡天満宮には、5つの兼務神社があります。道真公は「天神さん」と呼ばれていますが
「天神」とは元々天の神である雷を表しているという諸説も。そこで、雷の神様である
武甕槌神(たけみかづちのかみ)を祀る走田神社へ向かいます。

走田とは、祭祀に用いる初穂をつくるための早稲田のこと。走田神社は、五穀豊穣を祈願
する神様として崇敬されてきました。参道となる石段には、12本の榊の束が吊られた
しめ縄が。米の相場を占うのに、使われていたそうです。かつては妙見菩薩を祀る
「妙見社」と呼ばれていましたが、明治元年に出された神仏分離令により走田神社となり
妙見菩薩は隣にある「海印寺 寂照院」に遷されることになったのです。

寂照院は、「日本孟宗竹発祥の地」としても有名です。平成7年に再建した本堂の中には
再建工事の際に発掘されたという古墳の石室が保存されており見学が可能。同じく本堂
には走田神社から遷された妙見菩薩と一緒に、鎌倉時代につくられた千手観音菩薩、
千手観音菩薩を囲む凛々しいお姿の四天王像が祀られています。

「この増長天は、院派に属する仏師・院能の作品です。」と語るのは、寂照院のご住職。
かつては荒れ地のようだったというこの地を再興した方です。優しい表情で土地の歴史や
文化財を守ってきた地域の人の思いを語るご住職のお姿は、まるで長岡京を愛した菅原道
真公のよう。寂照院を訪ねたら、ご住職が貴重なお話をユーモアたっぷりに聞かせてく
れるかも。
素敵な風景を辿る中で魅力的な人にも出会えることが、長岡京の神社仏閣巡りの醍醐味
です。

菅原道真公から辿る神社仏閣巡り。No.252123-03-0004

長岡天満宮
住所:〒617-0824 京都府長岡京市天神2丁目15−13
TEL: 075-951-1025
E-mail:shamusyo@nagaokatenmangu.or.jp
http://www.nagaokatenmangu.or.jp/

走田神社
住所:〒617-0853 京都府長岡京市奥海印寺走田3
TEL: 075-951-1274

寂照院
住所:〒617-0853 京都府長岡京市奥海印寺明神前31
TEL: 075-954-8100

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