初めての人にこそ食してほしい、真の鮒寿し。

丹念な「守り」と自然の力が生み出す究極の発酵食品

気品のある酸味と、特有の風味で食通を虜にする滋賀の郷土食「鮒寿し」。吟醸酒と共に
口に含めば、互いの風味が際立ち、深遠な旨みが広がります。一方で、アンチョビと
チーズをあわせたようなふくよかな風味もあり、ワインとの相性も抜群!一度食べたら
やみつきになるファンも多い逸品です。
一般的に「泥臭い」「生臭い」と思われがちな淡水魚ですが、琵琶湖の鮒や鯉、びわマス
などを食せばイメージは一瞬にして変わります。古来より美しい水を満々とたたえる
琵琶湖の環境は、美味たる淡水魚を育て、独自の食文化を育てました。中でも、
まだ冷蔵技術が発達していなかった時代に、保存食として生み出されたのが「鮒寿し」。
これこそ琵琶湖の自然と人の英知が生み出した究極の発酵食品なのです。

そんな「鮒寿し」の老舗として知られるのが天明4年(1784年)創業の「魚治」。
店は、かつて港町として栄えた海津の町に建ち、向かいの別棟では、鮒寿し懐石が楽しめ
る料亭「湖里庵」も営んでいます。店の名は、魚治の味を愛した作家・遠藤周作氏の命名
によるもの。美食家として知られる氏が東京から足繁く通ったことからも、その美味の
ほどが窺えます。
まだ雪の残る2月~3月、鮒寿し作りは始まります。鮒寿しにもっとも適しているのは
琵琶湖の固有種であるニゴロブナ。魚治では、琵琶湖の水深に生息する、
身の引き締まった味の良い100%天然もののニゴロブナを使用しています。お腹に子を
持つニゴロブナに丁寧な下ごしらえをして塩漬けにし、乳酸菌の活動が活発になる夏の
土用の頃に「本漬け」に。地産のお米とニゴロブナを交互に重ね、二冬かけて発酵させ
ます。
2年間、じっくり時間をかけるのも魚治のこだわり。湖が雪に覆われるほどの厳冬の中、
低温熟成を重ねることが鮒寿しの味わいにさらなる深みを醸すからです。

「鮒寿しを本当に作っているのは菌の力。人間はただ段取りをして、中で動く菌が気持ち
よく動けるよう『お守り』をしているに過ぎないのです」と穏やかな口調で話してくれた
のは七代目当主の左嵜謙祐さん。とはいえ、感覚を研ぎ澄まして菌と向き合う、その姿勢
は匠の域。丹念な「守り」があるからこそ雑味のない味わいが生み出されているのです。
また、その製法は代々当主だけに許される一子相伝の技。長年、琵琶湖と共存する中で
修得した勘と技が生み出す真の味わいが、ここにあるのです。

さて、酒肴のイメージが強い鮒寿しですが、実は「お茶漬け」も絶品!熱いご飯の上に
切り身、塩、お好みの薬味をかけて熱めのお茶を注げば出来上がりです。滋養食としても
愛されてきた鮒寿しだけに、食欲のない日やお酒のあとに食せば身体もスッキリ。
小麦との相性も良く、パンにのせたりパスタに仕立てれば、楽しみの幅も一層広がりそう。
ご家庭で気兼ねなく楽しめるのも贅沢の極みです。

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