時は流れ、幻想の世界へ。
そうこうしているうちに、時刻は夕方に。日中の淡い可憐な花色から一転、夕暮れから夜にかけて次第に濃くなる闇の中で、桜は表情を変え、ライトアップされた艶やかな姿が幻想的に浮かび上がります。
そんな夕暮れどきに、ふらりと足を運んでみたのが川沿いに建つカフェ「SIMPLE」。木肌のぬくもりが感じられる店内でステキな笑顔のご夫妻が迎えてくれました。まだ看板もないこのお店、実は会社に勤務するかたわら、ご主人が自身でコツコツと内装などを手がけ、念願だったカフェをオープンしたばかりだそう。 「今は土日だけのオープンですが、無理はしすぎず、ゆっくりと街の人に親しんでもらえるお店になりたいですね」と語ってくれたご夫妻。 丁寧に育まれているお店はとても居心地がよく、淹れてくれたコーヒーはとても優しい味わい。桜に面した窓側の特等席でしばしの休息を楽しみ、特別な時間を過ごすことができました。
圧倒的なスケールもさることながら、時を追うごとにさまざまな表情に出会えるのも「岩倉桜まつり」の魅力。栄華を謳う城跡の桜や、古刹を彩る典雅な名桜も素敵ですが、ここ岩倉市では手の届きそうな距離に桜が咲きこぼれ、市街地に咲く桜ならではの身近なあたたかさが、訪れる人々に幸せを運んでくれます。
桜を愛で、楽しむ人々の、歓びに包まれた笑顔がその証。足を運んでこそわかる岩倉市ならではの心地よい時間が、ここにはあふれていました。