名古屋コーチンの岩倉本部といえば、ここ関戸養鶏場。

県内有数のふ化場を擁する、岩倉の名古屋コーチン

日本3大地鶏の一つ、『名古屋コーチン』の名を知らない人はいないでしょう。その味わいの特徴は、しっかりした肉質と、かめばかむほど味の出る旨みの強さ、歯を押し返すような皮の弾力性。とくに、皮とその下にたっぷりのった脂は、一般的な鶏肉とは一線を画すコクと香ばしさを生んでいます。

おいしさの理由には品種としての特徴もありますが、出荷までにかけられる生育日数と飼育環境もポイント。一般的なブロイラーは成長が早く、40~50日程度で出荷されるのに対し、名古屋コーチンの生育日数は120日~150日と約2.5~3倍。ケージではなく、地面の上を鶏が自由に歩き回る「平飼い」で、しっかり運動しながら育ちます。ゆっくり時間をかけて健康的に育つため、旨みが蓄積されるのです。

今は愛知県内全域で生産されている名古屋コーチンですが、もともとは1880年代、旧尾張藩士の兄弟によって開発されたこともあり、主な産地は岩倉を含む尾張地方に集中していました。なかでも、現在のようにトラックでの輸送が中心になる前、鉄道が主な輸送手段だった時代には、鉄道の便がよく出荷に有利な岩倉は、名古屋コーチンの一大産地として繁栄。一時は市内に110軒を超える養鶏場があったといいます。

しかし、岩倉市がベッドタウンとして注目されるようになり、家屋が密集して建つようになると、養鶏場はだんだんと敬遠されるようになり、町中から姿を消していきます。そんななか、今も岩倉市内に残る貴重な名古屋コーチン生産場の一つが関戸養鶏人工ふ化場。卵を産ませてヒナを生産する「ふ化場」としては、現在、市内唯一の存在で、愛知県内にも数カ所しかない名古屋コーチンの重点指導ふ化場です。

岩倉市で4代にわたってふ化と養鶏に取り組んできた関戸家。住居と同じ敷地内に2階建ての鶏舎があり、家族で鶏の世話をする昔ながらのスタイルで、多いときには6000羽を飼育していました。60年ほど前に建てられたという住居の屋根に、鬼瓦の代わりに載っているのはなんと鶏。敷地外からでも眺めることができ、名古屋コーチンのまち岩倉の隠れスポットともなっています。

御年82歳の当主、関戸恒久さんがおすすめする名古屋コーチンの最もおいしい食べ方は「すき焼き」。尾張地方ではすき焼きは「ひきずり鍋」とも呼ばれ、しょうゆと砂糖でしっかり甘めに味付けしますが、それに負けない旨みの強さが名古屋コーチンの身上です。 また、卵肉兼用品種である名古屋コーチンは卵も美味。サイズは普通の鶏卵よりひと回り小さいのですが、臭みがなく濃厚な味わいはゆで卵にすると特に違いが際立つとか。 もちろん生のおいしさも格別で、肉とそれにからめる卵の両方に名古屋コーチンを使った「ひきずり鍋」は、尾張でも最高の贅沢グルメです。

名古屋コーチンの岩倉本部といえば、ここ関戸養鶏場。No.232289-03-0003

住所:〒482-0036 愛知県岩倉市西市町無量寺13
TEL:0587-37-0369

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